昨日は大学院の推薦入試がありましたが、それについてのおもしろい話は
特に無いので、書きません。
それよりも、その後ついでに寄った、上野の国立西洋美術館のことを
書こうと思います。
この日は俺にとって、「大学院の推薦試験があった日」というよりも、
「美術に目覚めた日」だったのです。
まず、上野にはたくさん美術館があるのになぜ国立西洋美術館を選んだか
ということですが、その第一の理由は、「昨日は入館料がタダだった」です。
なんか、第2、第4土曜日はタダらしくて。
とはいえ、駐車場で2000円も取られたからあんまり意味ないですけどね。
あと、とあるサイトで読んだ紹介文が気に入ったのも理由の1つです。
【中世末期から20世紀初頭にかけての西洋絵画とフランス近代彫刻】
当館は、西洋美術を専門とする国内唯一の美術館です。中世末期から18世紀末頃までに活躍した作家の作品、ロダンの彫刻、そして19世紀半ばから20世紀初頭にかけてのモネ、ルノワールなどのフランス近代絵画と第二次世界大戦後の絵画を展示しています。
もちろん、これを読んだ時の俺は、モネとかルノワールとか言われても、
「名前は知ってるけど、どんな絵かなんて全く知らねーぜ」って感じでしたし、
むしろ、「そんな奴らの絵よりも、俺の写真の方がイイんじゃねえの?」くらいに
粋がってました。
で、実際に行ってみると。
まず、ロダンの彫刻が数体ありました。
でも、正直言って、これはさっぱり良さが分からんかったです。
いろいろ考えたけどね。
「なんでみんな裸なんだろう、裸の方が生命の躍動感が出るからだろうか」とか。
次に階段を上がって2Fに入ると、いよいよ絵画のゾーンなんですが、
入った瞬間思ったのは、「あ、俺、彫刻より絵の方が好きだわ、
やっぱり3次元より2次元の方が好みなんだな」ってことですね。
(次元についての議論はここではしません。)
そして、後で気づいたんですが、絵画のゾーンは順路に従っていくと、
年代順に見られるようになっていて、最初の方は16世紀くらいの絵でした。
この頃の絵は、宗教的なのが多いわけですが、俺が気に入ったのは、
そういった宗教的な要素ではなくて、背景の自然です。
つまり、俺のような、現代の、しかも日本に暮している人間にとっては
人工物が何も無いありのままの自然を観る機会ってほとんど無いじゃないですか。
それが、この16世紀には描かれてるわけですよ。
しかも、フルカラーで、鮮やかな色合いで、精密に、です。
"どこまでいってもありのままの自然"が、写真を撮る者にとってどれほど魅力的か。
もちろん、都会の雑多な美しさ、というのもあるとは思うんだけど、
それはなんか、悲しみや諦めの美しさなんだよね。
あと、前半に置いてあった絵の良さってのは、「意味がある」ってことです。
「ここに描かれている鳥は○○を表してる」みたいな。
絵を見て、よく考えて、その意味を発見すると、ドーパミンが出て
快感に繋がるわけですが、これはつまり、学習の面白さと同じ原理だと思うんです。
「わかった!」と思った時に出るドーパミンと同じ種類。
そして後半。
ついにモネやルノワールのゾーンに入るわけですが、
そこで最初に出会うモネの絵は衝撃ですよ。
直接脳髄にカーンと来て、その数秒後に鳥肌がグワっと立つ感じ。
それまでの、精密で意味を探る面白さとは全く正反対の、
「考えるな、感じるんだ」的な絵なのです。
いわば、夕陽の美しさと同じ種類。
つまり「理屈じゃない」ってことですよ。
そして、俺はまだその時、モネが印象派だなんて知らなかったから、
「ああ!これは、具体から抽象への転換だ!」なんてひらめいて、
1人喜んでました。
これは、ロックの好きな人は分かってもらえるかもしれませんが、
モネの絵はパンクロックだと思うんですよ。
つまり、それまで小難しいプログレッシヴロックにムカついて
パンクロックが出てきたわけでしょう。
それと同じ構造なのです。
そのモネの絵の中でも特に気に入ったのはコレ↓です。
「ウォータールー橋、ロンドン」
ブログ上でデジタルデータとなったこの絵を見ても、何も感じないでしょうけど、
実物は「この絵の前にずっといたい」と思うような絵でしたよ。
というか、美術館では順路通りに観ていくのが重要ですね。
そうじゃないと、この絵がどういう文脈にあるかがわからないから。
で、モネのコーナーを離れて、違う場所にある「あ、アレいいな!」と思った
絵に近づいていくと、それはルノワールだったり、もしくはゴッホだったりして、
「あ、こいつらやっぱスゲエんだ」と思いましたね。
俺の写真なんか全く相手にならない感じでしたわ。
しかし、美っていうのはなんですかね?
なんでこの確固とした美という感覚があるんでしょうかね?
「絶対的な美なんて無い」なんていう人は、
「自分は無宗教だ」っていう日本人くらいナイーヴだよなぁ。
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Author:yamakido
薬学部の修士1年生やってます。
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